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2022年2月

2022年2月 4日 (金)

身体の不思議

ご苦労様です。全健会・JCA本部の髙森です。

連日コロナ患者増加のニュースで辟易としておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

ご自身は勿論、ご家族・ご友人・患者さんの健康管理にも気を付けて頂いてることと思いますが、こんな話がありましたので、ご紹介いたします。

プラセボ効果という言葉を耳にした事があるかと思います。効くはずのない偽薬がなぜか効いてしまう現象の事です。逆にノセボ効果とは、薬理的影響がないはずなのに、なぜか副作用や副反応が出てしまう現象の事を言います。
 ノセボ効果は、新型コロナのワクチン接種でも観察されていると言います。
 なぜそうなるのか?暗示のような心理的効果が働いていると言われていますが、その仕組みはまだ解明されていません。
 しかし、実際に脳の神経活動には変化が起きているおり、「心や意識」は人間の根源であると考えれば不思議なことではないのかもしれません。
 『The Conversation』(ザ カンバセーション:専門家の意見や分析を伴うニュース記事や調査レポートをオンラインで公開している非営利メディアのネットワーク)では、不可思議な偽薬の効果は、心や意識を説明するかもしれないと論じられています。

新型コロナワクチンとノセボ効果

 新型コロナのワクチンを済ませた人の中には、副反応が起きた人もいるでしょう。接種後の発熱や筋肉痛は、ワクチンに対する免疫反応によって引き起こされたものですが、中には心理的なものが原因だったというケースもあるかもしれません。
 思い込みのせいで病気や痛みが生じることがあるからです。
 本当は副作用などない薬なのに、あると信じた結果、実際に副作用が出てしまうことを「ノセボ効果(反偽薬効果:ノシーボ効果)」と言います。
 まったく効果のない偽薬なのに本当に効いてしまう「プラセボ効果(偽薬効果)」と双子の兄弟のようなものです。

 ノセボ効果は、新型コロナのワクチンでも観察されており、2020年に行われたファイザー社による最初の大規模な治験で、偽薬を与えられた多数の人が、あるはずのない副反応を経験しています。
 たとえば、偽薬を投与された4分の1から3分の1の被験者が疲労感を、同じ割合の人が頭痛を訴えています。また、およそ10%の被験者には筋肉痛が生じたと言います。

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うつ病から大腸炎まで、さまざまな病気に効くプラセボ効果

 ノセボ効果とは違い、すでによく知られたプラセボ効果には、それほど驚きがないかも知れませんが、それは間違いなく奇妙なものです。
 効果がないはずの偽薬は、ニキビ、てんかん、リウマチ、多発性硬化症、パーキンソン病、大腸炎、勃起不全など、さまざまな病気に効果を発揮しています。
 うつ病にも有効だと言います。2008年の研究では、主要な抗うつ剤と偽薬を比較したところ、両者の効果にほとんど差が認められなかった。また2018年にも同様の実験が行われ、やはり偽薬の有効性が確認されました。

心に問題を抱えていると神経活動に変化が起きる

 こうした効果は気のせいなどではなく、実際に客観的に観察することができます。
 偽薬を鎮痛剤として服用すれば、痛みに関係する神経活動が低下し、オピオイドを投与した時と同じような神経伝達物質や神経経路が働きだします。
 またパーキンソン病の治療薬として投与すれば、ドーパミンが放出され、病気の症状が緩和されます。
 どうやらプラセボ効果には、患者の性格、治療への期待、患者と医師との関係といったものが関連しているようです。しかしそれが起きる詳しい仕組みはまだ明らかになっていません。
 きわめて不思議な現象ですが、別の視点からみると案外不思議でも何でも無いのかも知れません。
 今日の西洋文化では、「心や意識」は脳の神経活動によって発生する”影”のようなものだと考えられています。
 もし心に問題を抱えているのだとすれば、それは神経活動に何らかの乱れが生じたからで、だから薬を使って神経を調整してやれば、治せるとされています。
 しかし、そうした神経活動は脳だけでなく、身体にまで作用するくらい強力なものなのでしょうか?

心や意識に関するもう1つの仮説

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 実際、心を脳の作用だけで説明することは非常に難しい。そのため哲学者や科学者の中には、心や意識は脳の直接的な産物ではなく、質量や重力と同じく、根源的で普遍的なものであると考える者たちもいるほどです。
 たとえば、デビッド・チャーマーズ(オーストラリアの哲学者)は、心が神経活動という物理法則から導かれるものだとはみなしていない。彼の考えでは、むしろ「それ以上還元することができない、根本的なもの」だ。
 トマス・ネーゲル(アメリカの哲学者)によれば、心は「単なる後付けや偶然、あるいは付加物などではなく、自然の基本的な側面」と考えられるという。
 またクリストフ・コッホ(アメリカの神経学者)やフィリップ・ゴフ(英国の哲学者)は、

意識は”物質粒子”に宿った基本的な性質なのではないかと推測する。
 こうした見解は主流なものではないし、それを裏付ける証拠もまだまだ足りないと言っています。

意識の謎

 たとえば、意識が根本的なものなのだとすれば、そこからどのようにして私たちのような個々の意識的な存在が誕生するのでしょうか?
 また意識が物質的な粒子に宿っているのならば、どのようにして組み合わさり、人間のようなより大きな意識的存在になるのでしょうか?
 主流の科学者たちは、いつか心や意識を神経学的に説明できるようになり、プラセボ効果やノセボ効果といった不可解な現象も理解されるだろうと期待しています。
 しかし心や意識は根本的なものであるという哲学的な見解を採用するのならば、それは脳や身体よりもパワフルな存在で、それゆえに身体に影響を与えるのだと考えられるかもしれません。
 だからこそ、プラセボ効果やノセボ効果が発生するのかも知れません。意味のないはずの偽薬は、案外とても深遠な真実を指し示しているのかも知れませんね。

プロフィール

東海Ⅱ部門 
 部門長:関口 徳和
 担当:今井孔貴
 HBI:福田里江子

所属:全国健康生活普及会(全健会)
 日本カイロプラクティック連合会(JCA)
 ホリスティックビューティインターナショナル(HBI)
 (株)日本直販総本社

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